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(C) 1997 倉澤 七生

 

体長:13~14m 体重:14~35t
評価:IUCN− CR/水産庁−危惧(アジア系個体群)/日本哺乳類学会(絶滅危惧)

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絶滅危惧(threatened)のカテゴリーは、絶滅の恐れの高い順から CR(Critically Endangered)、 EN(Endangered)、 VU(Vulnerable) に分けられる。

さらに A(個体数の減少率)、B(分布の小ささ)、C(個体数の小ささと減少)、 D(絶滅確実)の基準があり、さらに副基準を適用する。

低リスク(LR:Lower Risk)は、情報不足でなく、評価が可能なもので、 上記カテゴリーに属さないもの。

LR cd 保全依存(Conservation Dependent): 該当動物群またはその生息地の保全策が継続されており、 その保全策が中止された場合、5年以内に絶滅危惧のカテゴリーに 移行すると考えられるもの。
LR nt 準絶滅危惧(Near Threatened): 保全依存ではないが、絶滅危惧の VU カテゴリーに近いもの。
LR lc 軽度懸念(Least Concern): 上記以外の低リスクのもの。
DD 情報不足(Data Deficient)。

コククジラ科。英名のgray whale(灰色クジラ)の通り、体色は灰色で頭部や鰭には無数のフジツボやクジラジラミがついた独特の姿である。

分布は北半球だが、北大西洋の個体群は17~18世紀に絶滅し、現在は北太平洋にベーリング海からメキシコまでの海域を移動するアメリカ系個体群とオホーツク海から南シナ海を移動するアジア系個体群がある。

アメリカ系個体群は、19世紀から20世紀前半にかけて激しく捕獲され、一時は絶滅を懸念されたが、1946年に捕獲禁止となってから手厚い保護政策によって劇的に回復した。現在は、アメリカの先住民のマカとロシアのチュクチによる捕鯨が行われている。

一方、日本に近代式捕鯨がもたらされた19世紀末からコククジラの捕獲が開始され、日本が戦後捕獲を停止した後も韓国が捕獲を継続、もともと数の少なかったアジア系個体群は、一時は絶滅したと考えられていた。1970年代終わりに100頭前後の群れの存在が確認された。

コククジラの餌は海底の砂や泥にすむ底生動物で、からだを海底の砂にこすりつけるようにして砂や泥をすくい取り、餌生物をクジラヒゲで濃しとって食べる。沿岸性なので、沿岸開発や海洋汚染の影響を受けやすい。

現在、コククジラのアジア系個体群(ニシコククジラ)はヒゲクジラの中で もっとも絶滅に近いところにいる。 ロシアのサハリン における大規模ガス・油田開発がその主要な餌場であるサハリン島の北部で行われていること、また、移動時期に日本の沿岸部で定置網によって混獲されることによって、その生存は風前の灯である。日本政府は、2007年度中にコククジラを水産資源保護法の対象にする予定である。

(2007年12月5日更新)

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<参考資料>

  • 「日本の希少な水生野生生物I~V(日本水産資源協会)」
  • 「レッドデータ日本の哺乳類(日本哺乳類学会)」
  • 「クジラとイルカの図鑑(マ-ク・カワディ -ン著)」
  • 「クジラ・イルカ大図鑑(アンソニー・マーチン著)」
  • 「killer whale(Ford/Ellis/Balcom)」
  • 「オルカ入門(エリック・ホイト)」