捕鯨問題

イワシクジラとワシントン条約(CITES):第69回CITES常設委員会報告

真田康弘(早稲田大学 研究院客員准教授)

 

 2017年11月末から12月初めにかけ、スイス・ジュネーブでワシントン条約の下部機関である常設委員会(Standing Committee)の第69回会合が開催され、筆者も非政府オブザーバーとして参加した。
 ここでの議題の目玉の一つとされたのが、日本が北太平洋で実施している調査捕鯨によるイワシクジラの捕獲であり、日本はこの問題で各国から「これは条約違反である」との厳しい批判に晒された。そこで本小論ではなぜ北太平洋のイワシクジラの調査捕獲がワシントン条約で議論の対象とされるのか、なぜ条約違反と言われるのか、今後ワシントン条約ではどのような措置の実施が想定され得るのかについて、簡単に記すものとしたい。

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2017年6月13日参議院農水委員会 山本太郎議員質疑

2017年6月13日の参議院農林水産委員会で、自由党の山本太郎共同代表が南極海での調査捕鯨について質問に立ち、録画が文字起こしのうえ公開されました。与えられた10分間で問題点を簡潔にまとめていて、南極での調査捕鯨の何が問題なのか大変分かりやすい資料となっています。

【山本太郎事務所編集】2017 6 13農水委「文化じゃなくて水産庁の利権なの」

 
 

共同声明 「日本政府の新北西太平洋鯨類捕獲調査計画(NEWREP-NP)の撤回を!」

2016年12月2日

共同声明
「日本政府の新北西太平洋鯨類捕獲調査計画(NEWREP-NP)の撤回を!」

日本国総理大臣 安倍晋三 殿
農林水産大臣  山本有二 殿
水産庁長官   佐藤一雄 殿

 日本政府がこの11月8日、国際捕鯨委員会科学委員会(IWC SC)に提出した新鯨類捕獲計画(NEWREP-NP)は、国際捕鯨委員会(IWC)の決議を無視し、またオホーツクの希少個体群の捕獲許可は、政府の主張する「持続的な利用」に疑問を抱かせるものです。早急な撤回を求めます。

  1. NEWREP-NPで計画された沿岸におけるミンククジラ100頭、オホーツク海域での希少な日本海個体群(J-stock)47頭、日新丸船団によるミンククジラ27頭の捕獲を撤回すること。
  2. NEWREP-NPで計画された日新丸船団によるイワシクジラ140頭の捕獲を撤回すること。

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調査捕鯨に税金を投入し続けるための「商業捕鯨等のための鯨類科学調査の実施に関する法律」を廃止に!

 「商業捕鯨等のための鯨類科学調査の実施に関する法案」は、超党派によりほとんど議論もされずに今国会で6月16日(最終日)に通過しました。
この法の目的は1.商業捕鯨の実施による水産業の発展 2.海洋生物資源の持続的な利用に寄与とされていますが、実際は国が計画を策定し、指定法人に指示することで

  1. 調査捕鯨を安定的に継続するための資金の確保
  2. 調査捕鯨を継続するための捕鯨母船の新造
  3. 公費を投じた特定業界のための販促キャンペーン
  4. 国際的な声を遮断するための外国人活動家の入国管理

といったこれまで日本が行ってきたことを裏付けるものです。
この法の問題点は二つあります。

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[共同声明] IWC66スロベニアに向けて

2016年10月18日
共同声明
IWC66スロベニアに向けて

内閣総理大臣 安倍晋三 殿
農林水産大臣 山本有二 殿
水産庁長官  佐藤一雄 殿

10月20日から28日にかけ、スロベニアで開催される国際捕鯨委員会(IWC)の第66回総会に向けて、私たち、イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク、国際環境保護NGOグリーンピース・ジャパンと国内NGO14団体は、以下のことを日本政府に求めます。

  1. 日本政府は国際捕鯨委員会の決議と国際司法裁判所(ICJ)の判決を尊重し、南極及び北西太平洋、沿岸業者委託の調査捕鯨に許可を与えないこと
  2. 日本政府は、元捕鯨企業が撤退し、今後参入する企業の可能性のない商業捕鯨再開に向けてのキャンペーンと予算を撤回すること
  3. 調査捕鯨への51億円の予算措置を、海洋を健全に保つための生態系の保全及び水産資源調査に回すこと

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