IKAN流クジラ図鑑

ホッキョククジラ (bowhead whale) Balaena mysticetus Linnaeus

bowhead
体長:12~13 .5m  体重:70t
評価:IUCN-LR /水産庁−絶滅危惧(スピッツベルゲン系)、危急(デービス海峡、ハドソン湾、オホーツク海)、希少(ベーリング海)/日本哺乳類学会−絶滅危惧(オホーツク海個体群)

北極周辺部の寒冷海域に住む。70センチもある分厚い脂肪層をもち、ずんぐりとして背ビレを持たない特徴的な姿をしている。氷の周辺を移動し、オキアミや小魚のほかに、コククジラのような底生生物も食べる。寒冷海域にすみ、30センチくらいであれば、氷に穴をあけて呼吸することができると言う。生態については余りくわしく分かってはいないが、妊娠期間は推定12~16ヵ月、時に双児を生むこともあるらしい。

泳ぐ速度が遅く、死んでも死体が浮くために捕獲しやすく、古来から捕鯨による影響を受けてきた。そして、19世紀に入ってからは3mにもいたる長いヒゲと脂のために何万頭も捕獲されて、北大西洋ではほとんど絶滅状態になってしまった。現在はアラスカ先住民捕鯨として、特例的に捕獲枠が設定されている。

最近この先住民が捕獲した北極クジラの頭部から19 世紀に使用された古代石と象牙でできた銛がでてきた。このため、本種は200 年間も生きる可能性があるもっとも長寿の動物ではないか、と考えられている。

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