IKAN流クジラ図鑑
マッコウクジラ (sperm whale) physeter macrocephalus
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- カテゴリ: ハクジラ亜目
評価:IUCN-VU/水産庁−普通/日本哺乳類学会−危急
角い大きな頭部で際立っているハクジラ最大のマッコウクジラは、分厚い皮からとれる脂と脳油のために、もっとも激しく捕獲されたクジラである。また、非常 に深く潜水し、深海のダイオウイカなどさまざまなイカを食べることでも知られる。潜水の記録としては、およそ2時間もの長時間に及ぶ記録があり、海底3、 600mに住む生物が胃袋からでてきたという驚くべき報告もある。メスに比べて、オスが非常に大きいことや群れは母親中心で、オスは独身オスの群れを作っ たり、単独行動をとることでも特徴的である。主として遠洋の深い海溝部にそって移動を行い、場合によっては赤道を超えて移動することもある。14~15ヵ 月の妊娠期間をへて1頭の子どもを生む。
日本ではモラトリアムぎりぎりまで多数のマッコウクジラ捕獲が行われた。当時、日本でも脂採取が主で、肉はミンク(獣)などの餌に使用されたといわれる。 日本沿岸で捕鯨業者による違反操業が日常化し、公式捕獲数が改ざんされていたという報告が元捕鯨会社役員の書いた回想録で明らかにされ、話題を呼んでい る。