「イルカ&クジラ・アクション・ネットワークにようこそ」
イルカやクジラを利用する産業の存在する日本で、ともすれば業に傾きがちな保護・管理のあるべき姿を求め、より透明性の高い情報と市民参加の道を模索しています。
みなさんの参加と支援をお願いします。
水族館でイルカをみたいあなたへ、イルカ施設で一緒に泳ぎたいあなたへ
さまざまなシンボルや、企業イメージなどにもイルカの姿が使われています。
丸いおでことほほえんでいるような口元で、親しみやすく、水族館でもなつっこくよってきてくれる彼らにいやされる人がいるというのも分かります。
でも・・・・・・・
IKA-NET NEWS Vol. 84
2024年7月27日号
- ナガスクジラは誰のもの? IKAN
- 声明「ナガスクジラの商業利用に反対する」
- ナガスクジラの捕獲は妥当か 真田康弘(オーシャンガバナンス研究所代表理事・総括研究主幹)
- こんなに捕ってどうするの? 佐久間淳子(フリーライター)
どこからきたの?水族館でのイルカ飼育を止めるための手引き
このたび、Animal Welfare Japanから『どこからきたの?水族館でのイルカ飼育を止めるための手引き』という小冊子が発行されました。イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク代表の倉澤七海が企画構成執筆を担当させて頂きました。
下記表紙画像からpdfファイルをダウンロードできますので、ご覧になってみてください。
ナガスクジラの捕獲枠60頭に反対します
2024年6月11日の水産政策審議会において、ナガスクジラ60頭(混獲の可能性の1頭を差し引く)の捕獲が承認されました。しかし、この決定には問題があり、再考すべきです。
1. 審議は無効に!
- ナガスクジラの生息や推定個体数、商業捕鯨枠に追加するための関係研究者(ICR)の検証の過程、海外第三者パネルによる検証の内容は、審議会1時間前まで公表されず、審議委員さえ資料を渡されていないものでした。審議に必要と思われる質疑は行われないまま、水産庁の提示した捕獲枠が認められました。
- 審議委員の構成には、承認する過程の議論で必要と思われる、これまで研究に携わってきた、あるいは関係してきた鯨類研究者や国際政治の専門家が含まれません。クジラの専門ではない数人の学者以外は、業界関係者であり、もともと公平な審議が行われる素地が全くありません。
- 水産庁は、「審議会前に関係業界の内諾を得た」と言っていますが、業界説明を先に行うということは、審議前にすでに規定の路線が出来上がっているということです。
【抗議声明】ナガスクジラを商業捕鯨の対象に付け加えないでください
農林水産大臣 坂本哲志殿
政府は、この5月9日、漁業資源の管理指針を改変し、商業捕鯨の対象にナガスクジラを付け加える予定であることを公表しました
ナガスクジラは、過去の商業捕鯨全盛期に非常に多く捕獲され、絶滅の危機を迎えました。捕鯨一時停止により、その数は現在回復途上にあるものの、いまだに国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「危急種」に指定されており、保護が必要なクジラです。報道では「増えている」ということを捕獲対象に加える理由としていると伝えられていますが、増えている根拠についてはどの報道にも書かれておらず、科学的な根拠は、国の施策のどこを探しても見当たりません。また、国際的に認められているナガスクジラの推定個体数もありません。それにもかかわらず、今回の改訂に際しては、5月7日から6月5日という短期間でのパブリックコメントを求めています。捕獲して利益を得たいという側は、明確な根拠がなくても捕獲枠の拡大に賛成するかもしれませんが、一般市民は明確な科学的根拠なしにどのような意見が出せるでしょうか?
2019年の商業捕鯨再開以来、捕鯨会社は経済的排他水域での捕鯨を実行しています。しかし、調査捕鯨時代と比べてその鯨肉供給量は減っているにもかかわらず供給量を上回るほどの在庫があり、鯨肉の必要性が増えているという事実はありません。実際、捕鯨業界は、総額で約51億円の政府補助金でなんとかまかなっている状態です。捕鯨業界的には、販売する肉の種類が増えることは望ましいかもしれませんが、それによって今後業界が補助金頼りを脱却できるという可能性があるとも思えません。
希少な種を捕獲することは国際的にも問題があり、日本に対する懸念を増大させ、私たち市民にとってはいかなるメリットもありません。
【声明】イルカ&クジラ・アクション・ネットワークは、商業捕鯨への ナガスクジラ追加に反対します
水産庁は、このほど、資源管理計画の一部を変更するとして、商業捕鯨で捕獲しているミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラに加えて、このほどナガスクジラを追加すると発表しました。
ナガスクジラは、シロナガスクジラに次ぐ大きさを持ち、商業捕鯨全盛期に激減してしまったシロナガスクジラの次の標的となり、大幅にその生息数を減らしてしまいました。現在は、回復途上にあるものの、IUCNはそのレッドリストで危急種としています。
一方で国内の鯨肉市場の低迷は止まらず、今更、新たなクジラ種を付け加える必要性は全くありません。
私たちは、ナガスクジラの追加を行おうとするこの計画変更に強く反対します。
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク
新資料から浮かび上がる⽇本の商業捕鯨撤退が決定した瞬間: ⽇⽶捕鯨協議における⽇⽶往復書簡(1984年11⽉13⽇)
KANet NEWS Vol.81(2022年7月20日号)に掲載された真田康弘氏(早稲田大学地域・地域間研究機構)による寄稿記事「新資料から浮かび上がる⽇本の商業捕鯨撤退が決定した瞬間:新資料から浮かび上がる⽇本の商業捕鯨撤退が決定した瞬間:⽇⽶捕鯨協議における⽇⽶往復書簡(1984年11⽉13⽇)」がpdfファイルでご覧頂けるようになりました。
【プレスリリース】 鯨肉消費あがらず ペットフードにまで…
2022年5月17日
プレスリリース
鯨肉消費あがらず ペットフードにまで・・・
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク
3年越しで続くコロナ禍による経済の停滞に追い討ちをかけるようにロシアのウクライナ侵攻が私たちの暮らしに影を落としています。そんな最中に、政府はさまざまな問題を含む2022年予算案を閣議決定しました。その中に、今年度も捕鯨に関する予算およそ51億円が組まれていることは非常に残念です。
4年前の2018年12月28日、当時の官房長官、菅義偉氏は日本が国際捕鯨委員会を脱退し、商業捕鯨を開始すると発表しました。そして翌年7月、大型の母船式捕鯨会社1社と沿岸の小型捕鯨業4社が商業捕鯨を開始しました。
しかし、それぞれの企業体の必死の努力に関わらず、減少した鯨肉需要は戻らず、在庫は積み上がり、捕鯨産業はもはや政府の支援なしで自立するのは難しいことが明らかになっていますが、一方で政府は、