共同プレスリリース「調査捕鯨に使われた震災復興予算の緊急調査と返還を求める」
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- 作成日 2012年10月05日(金曜)23:40
2012年10月5日
共同プレスリリース
「調査捕鯨に使われた震災復興予算の緊急調査と返還を求める」
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク(IKAN、東京都・練馬区)と国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都・新宿区)は、東日本大震災復興予算事業の一つとして22.8億円が費やされた「鯨類捕獲調査安定化推進対策」(注1)について、投入された予算の用途と内訳の詳細な調査を求めると同時に、当初の目的である宮城県石巻市の復興に見合うものでなかった場合は予算の返還を求めるべきとして、会計検査院へ独立性のある緊急調査を求めました。加えて、日本鯨類研究所が債務超過に陥っている事実も指摘し、調査捕鯨事業への補助金投入の見直しも要請しました(注2)。なお、来週にもこの問題が取り上げられるとされる衆議院決算行政監視委員会へも同要請書を送りました。
IKANの倉澤七生は「調査捕鯨の計画については、これまでIWC科学委員会の評価も含め、国際的な批判を受けてきましたが、計画だけではなく実施体制そのものが矛盾をはらんだ無理なものであったことが今回明らかになりました。もとから破綻した計画を、南極海での調査妨害活動のせいにして隠蔽し、愛国心に訴えて不適切な税金投入を繰り返す愚かなまねを即刻やめ、この貴重な資金を必要としている被災地のために使うよう、私たちは強く求めます」と述べました。
グリーンピース・ジャパン事務局長の佐藤潤一は、「調査捕鯨の赤字補てんに復興予算が使われることは、本来の趣旨に反するのみならず、国内外から日本政府への不信感を高めるだけです。被災地復興や漁業復興に予算が使われるために、会見検査院、そして衆議院決算行政監視委員会で正当な使途調査が行われるべきで、もしも復興に使われていなかった場合、補助金は返還されるべきです」と述べました。
注1: 水産庁 第3次補正予算案「鯨類捕獲調査安定化推進対策」
http://www.jfa.maff.go.jp/j/budget/23_hosei/pdf/9-2.pdf
注2: 共同要望書「調査捕鯨に使われた震災復興予算の調査と返還を求める」
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20121005_letter.pdf
【要請書の主旨】
要請1:調査捕鯨に投入された平成23年度の震災復興予算22億8400万円の用途・内訳を詳細に調査すること。
要請2:復興予算が、当初の目的とされた被災地石巻の復興にどのように役立ったかの調査を行うこと。またその効果が、投入額に見合うものであったか、見合わなければ補助金の返還を要請すること。
要請3:商業捕鯨であるべきではない調査捕鯨への「もうかる漁業」補助金の適用は、筋違いの補助金流用であるため、取り消しを要請すること。
要請4:長年にわたり補助金を投入し続けてきたにもかかわらず、日本鯨類研究所が鯨肉需要の低迷から債務超過に陥ったことを考慮し、調査捕鯨事業そのものへの補助金投入の見直しを行うこと。