第55回IWC会議向け声明文

IWC/55/OS DWAN

イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク/オープニングステートメント


 私たちは、主に日本国内でイルカ・クジラ保護活動をしているグループです。

まわりを海に囲まれている日本にとって、海の恵みはこれまで私たち日本に住む人々にとってかけがえのないものでした。 海は、一部の産業推進の人たちが言う「食料の生産現場」というだけではなく、温暖で豊かな気候と穏やかな精神風土を培ってきました。

 しかし、戦後の復興に向けてしゃにむに立ち働いた世代にとって、海の生き物を始めとした自然資源は、人間生活をより快適にするための搾取対象の一つとし てしか考えられなかったのです。そのため、海においても、陸上においても開発による自然破壊がすすみ、豊かな自然は損なわれ、多くの生物が絶滅の危機に追 いやられました。それに止まらず、日本の経済優先の旧世代は、海外の自然資源の搾取を積極的に推進し、自らの正統性を認めさせるために税金を投入して弱小 国の票を買うなどして時代に逆行した政策を取り続けてきました。

 しかし、こうした風潮が日本のすべてではありません。日々、より多くの人々が地球環境保全のための活動に積極的に関わるようになっています。こうした新たな価値観を持つ人たちの意見をできるだけ反映させ、自然を尊重する生き方を支持し、推進することが大切です。

 今回、地球環境に強く関心をもつ国々が新たなクジラ保護の部会をIWC内部に設立しようという動きに期待しています。IWCはもともと捕鯨の管理のため にできた国際会議ですが、時代によって管理の内容が変わるのは当然のことですし、またIWC以外にクジラ問題に特化した議論のできる場はありません。今 回、クジラ保護の熱心なドイツにおいて、活発で前向きな議論が尽されることを期待します。

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