米海軍低周波アクティブソナー使用停止の要望書

海洋生物に多大なる影響を与える大出力のソナーが日本近海に配備されようとしています。私たちの身近なところに生息しているクジラ類をこのソナーから保護 するために、下記の要望書を出そうとしています。賛同していただける方は、当会まで署名をお送り下さい。皆さんの署名協力をお願いします。


アメリカ大統領、小泉首相、沖縄在アメリカ海軍指令部、自然資源防衛委員会(NRDC)宛

LFAS問題を考える連絡会
担当:佐久間

米海軍による低周波アクティブソナー使用停止を求める要望書

私たち市民は、このほどアメリカ海軍が日本沿岸で使用しようとしている低周波アクティブソナーが 沿岸の海洋生態系に与える影響を懸念し、その使用の停止を求めます。

「背景」

  • 本年8月26日のアメリカ政府連邦裁判所の決定により、アメリカ海軍による低周波アクティブソナー(LFAS)の使用が一部認められることになった。連 邦裁定ではその使用海域について、米海軍がアメリカの自然資源防衛委員会(NRDC)等NGOとの協議によって決定することを条件とした。この10月、米 海軍とNRDC等は、日本沿岸、韓国、中国沿岸におけるLFASの使用を認める合意に達した。
  • LFASは、冷戦時代に敵の使用する音が静かな潜水艦を探知するために開発されたものである。LFASシステムは、これを装備・搭載した艦船から、周波 数が、数100Hz~数kHzといわれる周波数の低い音波を発信し、この音波が敵の潜水艦からはね返ってくるのを受信するものである。こうして取得された データは、人工衛星で中継することによって地上の基地にあるコンピュータに取り込まれ、解析・判定されるのである。一般的に、漁船で使用されている魚群探 知機では、周波数は10数kHz以上であるといわれている。

「中止を求める理由」

  • そもそもLFASがアメリカにおいて問題となり、裁判にまで至った理由は、これから発生する非常に高音圧の音波が生物に及ぼす影響を懸念したためであ る。特に、音響の動物ともいわれるクジラ類への影響が疑われ、1996年に地中海でアカボウクジラ13頭が座礁死した事件は、NATO軍によるソナー実験 の結果引き起こされたという報告が1998年科学雑誌「ネイチャー」に掲載された。
  • 1998年に米海軍がハワイにおいて行なった実験によれば、最小の音量によっても、ザトウクジラが繁殖海域を回避する行動や、子育てを放棄するといったことが記録されている。また、2000年にバハマで発見されたイルカやクジラの座礁死や昨年のカナリ−諸島におけるクジラ座礁事故もソナーが原因とされている。

周囲を海に囲まれた島国である日本にとって、海洋生態系はかけがえのない宝であり、私たちの文化も豊かな海の自然なしにはありえない。LFASの使用 は、沖縄に生息している絶滅に瀕するジュゴンの生存を脅かし、沿岸のイルカやクジラ、ウミガメ、魚にも多大な影響を与える可能性を持っている。アメリカに おいて危険とされ、使用を禁じられたLFASを他の海域で使用することを認めることは、海に棲む生物にとっても、また私たちとっても全く不当であり、私た ちはこれに強く異議を申し立てるものである。

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