あななたちを決して忘れない
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- 作成日 2007年2月07日(水曜)23:49
毎年、今日のように冷たい風が吹く中に春の柔らかい日差しを感じると、10年前のあの浜辺のことを思い出します。
目の前で起きていることが、まるで映画の画面のように非現実的ななかで、子シャチの鳴きごえばかりが強烈な現実として、何もできない私を打ちのめしました。
「必ず解放するから」と心に誓ったのに、その4ヵ月後には あっけなく死んでしまった子シャチ。でも、その声は、たくさんの人たちの魂をゆさぶり、どんなことばよりも雄弁にその行為がいかに間違ったものかを世界中に知らしめました。
今も、皆さんはその悲しい声を聞くことができます。そして、「もう二度とこんな事件が起きてはならない」という私たちの思いに共鳴してくださることでしょう。
経過をご覧になればわかるように、この捕獲は「学術的な研究のため」という名目で行われました。しかし、シャチの売買は、1億数千万円という莫大な金額で行われ、ある地方紙は、そのシャチがいずれは転売される可能性があることを書きました。ショーにでていたシャチもいましたし、また、シャチが1頭もいないところに、「繁殖目的」ということで貸し出されたシャチもいます。
建前ばかりが立派で、でもやっているほうも、行政も、みんなそれが事実ではないことを知っているのです。
こんな恥ずかしいことはもう二度とやりたくないだろうなどと思ってはいけません。うその建前がまかり通る世界では、1度通用したことを何回でも通用させようとするものです。
一部の金儲けのために、私たちの未来の子どもたちの貴重な財産であるシャチの捕獲が再びもくろまれています。
捕獲から10年たった今、ほとぼりが冷めたろうと考える一握りの人たちが再び同じ過ちを繰り返そうとしているのです。
こうしたことを止めることのできるのは、皆さん、一人ひとりの力です。小さな声でもたくさん集まれば大きな力となります。ぜひ、皆さんのお力をお貸しくださるように、心からお願い申し上げます。
2月7日太地で捕獲されたあなたたちを忘れない!