サハリン沖開発規制とクジラ保護へ環境対策の可能性
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- 作成日 2003年2月22日(土曜)11:44
2003年2月20日付け北海道新聞朝刊は、ロシア政府がコククジラ保護の検討を始めた、と次のとおりの記事を掲載しました。
私達の、そして皆さんのロシアへの働きかけが効を奏しつつあるのかもしれません。
[ユジノサハリンスク19日中元克治]
タス通信によると、ロシア天然資源省は19日までに、サハリン北部のコククジラ保護のため、餌場などになっている海域を2004年から開発制限水域とする方針を固めた。同海域や周辺で行われている石油天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」「サハリン2」の事業にも影響を与えそうだ。
ロシア海上ほ乳類協議会などによると、同海域で生息するコククジラは約百頭で、ロシアの絶滅危ぐ種に指定されている。石油天然ガスの開発が始まった 1990年代半ばから、栄養失調の個体や子クジラの死亡率増加が目立っており、サハリンや日本などの環境保護団体は実施企業や国に対策を求めていた。
規制の具体的な内容は今後検討されるが、関係者によると、制限水域はオハ南部からノグリキ周辺までの約百五十キロ、海岸から沖合約二十キロの範囲となるもよう。
開発行為は全面禁止にはならないが、クジラに悪影響を与えるとされる振動や騒音を伴う工事などに厳しい制約が導入される見通しで、この場合、実施企業は対策のための新たな出資や工法、工期の見直しを迫られる可能性がありそうだ。
関連ニュース(英語のみ):Russian Sets up First Nature Reserve for Grey Whales (By News Agency ROSBALT)