カムチャツカ南東部でシャチのメス1頭が捕獲

残念!ロシアで初めてのシャチ捕獲

 9月26日、世界中が懸念し、注目しいていたロシア、カムチャッカ南東部のアバチャ湾で、シャチ1頭の捕獲が行われてしまいました。世界中から抗議の声ががった1997年の太地の捕獲以来初めてのシャチの捕獲になります。
 この捕獲は、ロシア政府によって与えられた同海域での4頭の捕獲許可に基づき、黒海のUtrish Aquariumの依頼でロシアの捕獲業者によって行われ、捕獲されたメス1頭は、 現在は捕獲場所付近のぺトロパブロスク・カムチャツキーにある囲いに入 れられているもようです。

「捕獲されたのは生息調査で個体識別されているシャチ」
 1996年、名古屋港水族館がロシア海域でシャチ捕獲に意欲を見せて以来、私たちは、この海域におけるシャチの保護を強く訴えてきました。そして、 2000年から、ロシア・日本・イギリスの保護を願う研究者などによって、同海域での調査が開始され、定住型のシャチ少なくとも151頭の生息が個体識別 によって確認されています。私たちは昨年、ロシア海域での調査報告会を開催し、調査に対して少ないながらも基金の提供を行いました。たいへん不幸なこと に、今回捕獲されたのは、個体識別されたうちの1頭であることがほぼ間違いないことです。

「今後シャチ捕獲海域となることへの懸念」
 シャチは世界中の海域に分布していますが、もともと、食物連鎖の頂点にいるシャチは個体数が限られています。また、シャチの生態が解明されるに連れて、 世論も保護を支持する一方で、海域によっては捕獲圧による減少が深刻であることも重なり、アメリカやカナダ、アルゼンチン、アイスランド、ノルウエーな ど、捕獲が禁止されている所も少なくありません。日本においても、1997年の事件を最後に、捕獲申請は出されず、事実上の禁止措置になっています。
 こうした状況で、水族館産業は集客の目玉となるシャチ取得に意欲を燃やしているのです。
 ロシアでの調査はまだ端緒についてばかりです。しかし、ロシア海域が新たなシャチ供給地となれば、地道な調査の継続は不可能です。

「捕獲されたメスのシャチの解放を!」
 現在捕獲されているメスは最初に言ったように、定住型のシャチです。彼らの回遊範囲はあまり広くないので、もしこの個体を解放できれば、家族の元に戻ることがまだ可能です。そして、大きな抗議の声が、ロシア海域におけるシャチ捕獲をとめる唯一の手立てです。
 是非、反対の声を大きく上げてください。


ロシア天然資源省
電話 +7 95 254 4800
Fax  +7 95 254 4310


ロシア漁業委員会
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