ポール・スポング博士講演
- 詳細
- 作成日 2008年1月17日(木曜)17:10
名古屋では「第10回生物多様性条約締約国会議」の開催誘致活動が積極的に取り組まれています。
生物多様性条約は、地球上の生物の多様性が人間の活動によってこれまでにない深刻な減少を招いていることを懸念し、1992年に作られました。
この会議は、世界の生物多様性の消失を劇的に減少させるために設定され、 すでに「劇的な減少」と云う目標達成はむずかしいと考えられていますが、あらたな生物多様性保全のための目標が設定されると思われる非常に重要な会議です。
現在、和歌山県太地町において希少動物であるシャチの捕獲計画が進行していますが、 この計画の一部は、名古屋港水族館に貸し出されているメスのシャチ「クー」の繁殖相手獲得が重要な目的のひとつと考えられます。
10年前の1997年、同じく太地町で捕獲された5頭のシャチは、現在、名古屋港水族館の「クー」1頭のみが生存しています。
会議を誘致する名古屋の皆さんとともに、生物多様性からの視点で野生シャチの捕獲問題を考えながら、ポール・スポング博士にシャチの保護についての重要性をお話しいただきます。
この機会にぜひご参加ください。
開催日: 2008年2月3日(日)
時間: 13:30~16:30(13:15開場)
入場料: 無料 (カンパ歓迎!)
※お問い合わせも、上記Eメールにてお願い致します。
1992年、ブラジルで開催された通称リオサミットでは、人間活動が環境に与える深刻な影響を懸念し、地球環境を守るための重要な二つの条約が作られました。それが「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」です。
生物の多様性は、私たちの生きる基盤としての生態系を維持するために不可欠のものです。
ポール・スポング博士 プロフィール
海洋生物学者/オルカラボ・ディレクター/太平洋オルカ財団理事
1939年、ニュージーランド生まれ。オークランド大学、大学院で心理学 の博士課程を終了。 その後アメリカ に渡り、カリフォルニア大学(UCLA)大 学院で人の脳生理学を学び博士課程を終える。 スポング博士とオルカとの出会いは、 1967年カナダ・ブリティッシュコロンビア大学とバンクーバ ー水族館 から依頼された飼育環境下におけるオルカ研究員としての仕事だった。研究が 進むにつれ、人間の理解を遥かに越えたオルカの精神構造に驚かされ、また同時に閉鎖環境下での飼育が道徳的に正しいのか疑問を抱き、博士の研究対象であっ たオルカ「スカナ ー」の死を機に水族館を退職する。
1970年、バンクーバー島内海の無人島であるハンソン島に、オルカの野外研究基地「オルカラボ」を設立。 博士はこのフィールドを永久に続くものにしたいと考え、そのためにお互いの 関係がバランス良く保たれる環境を模索している。 オルカラボでは観察のための追跡ボートを使用せず、ハンソン島を中心とした陸上からの目視による個体識別 と、水中マイクを使用した「ハイドロフォン・ネットワーク」 によって、24時間体制でモニタリングを行い、オルカの音声の登録・分類を行っている。オルカラボのディレクターとして一家でハンソン島に住み、年間を通 じた活動を続けている。
Orcalab(オルカラボ) http://www.orcalab.org/