モリタ・コーポレーションのドルフィン・プロジェクトに海外からも抗議の声

  • 映画フリー・ウイリーをプロデュースしたドナー夫妻、ハーディ・ジョーンズ、イギリスの環境保護団体WDCSなどからも抗議ファックスを送ったという知らせが届いています。代表してアース・アイランド・インスティテュートが、パラオ大統領に宛てたファックスを翻訳してご紹介します。

アース・アイランド・インスティテュート、マーク・バーマン氏より

パラオ共和国大統領 ナカヤマ クニオ様

わたくしは創設者デビッド・ブラウワーと10万人の会員を代表し、モリタ・コーポレーションによるパラオ・ドルフィン・プロジェクトをはじめ、パラオにおけるいかなるイルカ飼育プログラムに関しても許可をしないよう、強く申し入れをいたします。

これは海の生態系を守る上で不可欠な事です。なぜなら、モリタ・コーポレーションは日本の残酷なイルカ追込み猟で捕獲されたイルカを利用しようとしているからです。野生のイルカをショーや水族館で見せる事は、アメリカ合衆国では禁じられています。日本で採用されているような野蛮な食肉用動物の殺し方も許されません。

もしパラオがこのような計画を認めるならば、我々は貴国への国際的観光ツアーボイコットに訴えるであろう事をお考えいただきたく存じます。映画シリーズ、フリー・ウイリーの成功のおかげで得た何百万人もの支援者を通じ、我々は観光ツアーボイコットが可能であると申し上げます。

イルカやクジラを野生から切り離して飼育することは、すでに時代遅れとなっております。知性豊かなこのほ乳類のおかれた苦境をもっと認識すべきという考えは、1990年代に主流となり今日にいたっています。

人間の作った人工の水槽や囲われた浅瀬などでなく、イルカ・クジラは大海で自由に生きるべき生物です。囚われ、同じところをぐるぐる泳ぎ回ることによるストレスや病気などで彼らは寿命を縮めています。イルカたちはボランティアではありません。不自然にあてがわれた海で人間と泳ぎ、コンクリートの水槽でばかげたショーをやらされているのです。

合衆国国立海洋漁業局の現在の記録によると、飼育されているクジラ類の死亡率は65パーセント以上です。例えばシーワールドでは飼育された25頭のシャチの内、24頭までが死にました。マサチューセッツ、ゴルフポートのマリン・アニマル・プロダクションにおいては、公表記録によると69%もの死亡率となっています。ここでは1989年以前には200頭以上のイルカを、米海軍・遊園施設・ヨーロッパや南アフリカへの輸出用として捕獲していました。シェッド水族館では4頭のカマイルカと、5頭のベルーガを死亡させました。イルカと泳ぐプログラムで発生するものも含め、合衆国内でうんざりするほど、死亡例が続いています。これは実際のところ、このように知性と家族共同体志向のあるほ乳類を人間が飼育する事はできないという証明です。

捕獲方法は暴力的、非人間的です。ねらわれたイルカたちは船で追い立てられ、家族から引き離され、網に捕らえられます。こうした作業は「理想的」な1頭が捕らえられるまでくり返されます。そして多くの場合、溺れたりショックで死んだりするものがでます。これは種の保護ではなく、人類の欲望を満足させるものでしかありません。さらに申し上げれば、新しい施設ができるたび、捕らえるイルカやクジラを選ぶことで野生の生息数に影響を与えていながら、飼育下でのクジラ類は繁殖して数を維持する事ができないという矛盾があります。米海域の野生海洋生物は、1989年以来捕獲を禁止されております。

アース・アース・アイランド・インスティテュートは、全てのイルカとクジラの飼育を止めるように、また現在捕われているクジラ類を彼らの故郷の海にかえすように要求している、80の環境と動物保護団体連合の一つです。我々はイルカたちが、パラオの海でみられるように自由を与えられますよう懇願します。

カリフォルニア、ロングビーチ、ニューオリンズ、チャールストンの新しい水族館が、他の多くに追随しクジラ類を飼育しないと宣言したことを付け加えさせていただきます。

さらに、1996年~99年、合衆国一の入場者数を誇る水族館は、イルカもクジラも存在しない、カリフォルニアのモンタレー・ベイ水族館であることも申し添えます。

どうか、これらクジラ類ゼロの施設の先導に従い、海洋生物を彼らの意志に反して囚われの身になさいませんよう、要請致します。

最後までお読みくださってありがとうございます。お返事を心待ちにしております。

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