沿岸のイルカ追込み猟に関するいくつかの問題
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- 作成日 2001年12月06日(木曜)15:36
イルカ追い込み猟というのは、複数の船でイルカの群れを囲み、船に付けられた金属パイプを叩いて群れを湾まで追い込んで一網打尽に捕らえる方法です。もともとは、静岡県の伊豆地方で始まり、今は静岡県の富戸と 和歌山県の太地で使われています。対象となるのは、コビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ、ハンドウイルカ、マダライルカ、スジイルカで、日本沿岸の系統群の多くは、この方法によって、存続が危うくなっている可能性があります。
この11月24日に太地で追い込まれたコビレゴンドウも日本哺乳類学会のレッドデータブックでは、希少種(沿岸の個体群)にあげられています。
この時追い込まれた群れは30~40頭で、翌25日にはそのうちの5頭が解体されました。残りの群れは買い手がつくまで湾に閉じ込められ、うち数頭はその日のうちに死にました。
追込み猟はこのように、沿岸の個体群を消滅させ、遺伝子の多様性を疎外する可能性の高い漁法です。また、長時間にわたり、不必要な苦痛を与えることは、動物の愛護及び管理に関する法律に違反する行為でり、これもまた改善を必要としています。
さらには、沿岸のゴンドウ類には化学汚染物質の高濃度汚染があり、人間の食物としても問題があると同時に、イルカ自身の種の存続にも脅威となっています。
私たちは、 申入書を水産庁に提出しました。