イルカ追い込み猟に関する申入書

2001年12月3日(月)

申入書

農林水産省大臣  武部 勤 殿

水産庁長官     渡辺好明 殿

本年11月24日(土)、 和歌山県太地町で行われたコビレゴンドウの追込み猟について、以下の2点についてご改善いただきたく、お願い申し上げます。

コビレゴンドウの系統的な調査が十分なされなす、漁業データの解析が困難(日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料 II)な状況で、93年捕獲枠が設定されて以来、およそ2千頭の本種の捕獲が行われてきています。 そのうち、太地町における追込み猟では、群れ全体を捕獲し、消滅させる方法で猟がおこなわれています。今回についても、およそ30頭の群れを捕獲し、翌日に屠殺したのは受注のあった5頭で、残りは注文がとれるまで1~2日、湾内に囲われていました。今後の資源保護から見てもも、このようなやり方は問題が多いと思われます。系統群を明らかにすることを始めとする資源の正確な調査と捕獲枠の見直しをぜひとも実現させてください。

「動物の愛護及び管理に関する法律」の基本原則第2条では「動物が命あるものであることにかんがみ、みだりに殺し、傷つけ、または苦しめることのないようにするのみでなく、人の動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して取り扱わなければならない」とあります。母系的なむすびつきの強い群れで生活している哺乳類であるコビレゴンドウを長時間囲い、苦しみの挙げ句に絶命させて行くようなやり方は、動物の愛護及び管理に関する法律に違反する行為です。必要以上に捕獲した場合は速やかに、できるだけ手かぎなどによる傷をうけないように配慮しつつ解放するよう指導してください。

速やかなご対応をお願いするとともに、1.いつ2.どのような解決法を取られるかを文書にてお返事いただきたく、よろしくお願いいたします。

以上

イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク

倉澤七生

入間郵便局私書箱10号

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