コビレゴンドウ(short-finned pilot whale)Globicephala macrorhynchus Gray
マイルカ科に属するコビレゴンドウは、比較的暖かい海をホームレンジとしている。日本沿岸にはやや大型で、背中の白いケープ状の斑のうすいタッパナガ型と、タッパナガとくらべずんぐりしていて白斑のはっきりしたマゴンドウがいる。黒潮を境にすみわけがなされ、北はタッパナガ、南はマゴンドウの分布域である。
妊娠期間は15ヵ月で、生態調査はいまだ不十分ながら、イルカやシャチなどと同じように母親中心の社会的な集団を作ることがわかっており、主な餌はイカなど頭足類である。
日本では、17世紀から捕獲されてきた歴史をもっている。第2次大戦中に一時捕獲は停止したものの、戦後は小型沿岸捕鯨でかなり多くが捕獲された。タッパナガは、もともと群れの規模が小さいために捕獲による影響が甚大で、1972~1981年には捕獲がほとんど停止状態となった。
マゴンドウについては、太地で行われている追い込み猟による群れごとの捕獲が沿岸の個体群に甚大な影響を与えている可能性が否定できない。