イシイルカ(Dall's porpoise)Phocoenoides dalli

porpoise

上がイシイルカ型、下がリクゼン型
体長:1.7~2.1m 体重135~220kg
評価:IUCN-LRcd/水産庁-普通/日本哺乳類学会-不能(日本近海の2個体群)

イシイルカはイルカ類で最小の'porpoise'の仲間で、体長は成人男子程度である。北太平洋固有の種で、日本海、オホーツク海からベーリング海をへて北米西海岸にいたる冷たい海域に分布している。

日本沿岸には、三陸沿岸からオホーツク海周辺の狭い範囲に分布する「リクゼン型」といわれるタイプと北部北太平洋から日本海周辺に分布する「イシイルカ型」の二つのタイプが見られる。リクゼン型のイルカは腹部の白斑が胸ビレから肛門付近にいたるもので大きさはやや小型、イシイルカ型の白斑は背ビレのあたりから後部に及ぶタイプでやや大型である。北太平洋全体では、リクゼン型イルカ1つ、イシイルカ型7つの系統群があるといわれている。

非常に活動的で泳ぐ速度も早い。妊娠期間は推定11.4ヵ月で寿命は他のイルカと比べて短く、平均10年くらいと考えられている。日本沿岸では、古くから突きん棒で捕獲されてきたが、商業的な捕獲は大正期以降で、モラトリアム前後にはクジラ肉高騰に乗じてカジキマグロ漁船などが参入、88年には40367頭の捕獲があり、以来、国際捕鯨委員会からは毎度のように捕獲の自粛勧告が出ている。1993年に捕獲枠はイシイルカ型9000頭、リクゼン型8700頭が青森、岩手、宮城、北海道に与えられている。

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