ナガスクジラ (fin whale) Balaenoptera physalus

fin

体長:18.8~20m
体重:39.5~43.4t
評価:IUCN-EN/水産庁-希少(東シナ海個体群)、普通(アジア系、アメリカ系個体群)/日本哺乳類学会-絶滅危惧(東シナ海個体群)、危急(日本海個体群)、希少(西部北太平洋個体群)

亜熱帯から極地にかけて広く分布しているが、赤道付近では稀。南北両極での交流はなく、北太平洋と北大西洋でも別の個体群がいる。

特徴的なのは、このクジラの頭部の模様が左右で異なることだ。右側では下あごからうねにかけて、さらにクジラヒゲが白く、目の周囲から噴気孔にかけて淡い白色の模様が走ることもある。左側は体色と同じような濃灰色あるいは濃褐色で、目の周囲の模様の色も判然としない。11ヵ月の妊娠期間をへて、低緯度の海域で1頭の子どもを生み、生まれた子は6~7ヵ月後には高緯度海域でオキアミやカイアシ類、さかななどの餌を食べる。

ナガスクジラは近代式捕鯨が始まって以来、南北両方で激しく捕獲された。とくにシロナガスクジラが激減してからはナガスクジラが主なターゲットとされ、南極を中心に両半球で年間3万頭もの捕獲があった。南半球での捕獲は1976年に禁止されたが、その後も北半球で捕獲が継続し、最終的にはアイスランドの「調査捕鯨」が止まったのは1989年のことである。数年前、日本国内で販売されているクジラ肉のなかに、ナガスクジラとシロナガスのハイブリッドと思われる肉の流通がDNA調査の結果明らかになって話題を呼んだ。

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