調査捕鯨の中止を歓迎する

イルカ&クジラ・アクション・ネットワークは、本年218日の第二期南極海調査捕鯨(JARPAII)の中止を歓迎します。そして、より広範な情報共有のもと、日本国内においても冷静で建設的な議論がおこなわれ、結果として、日本が今期のみならず、恒久的に南極海捕鯨から撤退することを要望いたします。
 これまでも、捕鯨賛成、反対いずれの側からも南極海における捕鯨活動に対する批判がありました。 (1)サンクチュアリ内での捕鯨についての問題や、(2)肉を販売して続ける調査のあり方と科学的な中立性への疑問、(3)殺さなくても出来る調査をわざわざ殺しておこなうことへの批判、(4)産業への税金投入の問題点、(5)地球の反対側にまで出かけてクジラ肉を求めるのが文化なのか?という意見もありました。
 自国内での議論を経て中止が決定されたのではなく、海外の圧力で無理に中止とされたことは残念ですが、これを機に真摯に調査捕鯨そのものについての議論を行い、今後の方向を定めていく必要があると思います。
 私たちは今後の方向として以下を要望します。

  1. これまで実施されてきた南極海と北西太平洋における調査捕鯨(JARPA,JARPN)をいったん中止し、その妥当性についての検討に入ること。検討の実施においては、産業の代弁者だけではなく、国内外の専門家、科学者やNGOなど、幅広い意見をもととすること。
  2. きちんとした議論なしに更なる税金を捕鯨推進に投入しないこと
  3. 政府、産業によるクジラ肉消費キャンペーンをすべて終了させ、国内のクジラ肉のミニマム需要を明らかにし、今後の方向の参考とすること
  4. 沿岸の捕鯨再開の検討に際しては、定置網に混獲されているクジラを含めたものとすること
  5. 今後の国際的な議論と相互の問題解決に向けた交渉において、これまでのような産業を擁護するためにODAなどを利用した票の獲得をおこなわないこと
  6. 水産資源としてのクジラという固定観念だけではなく、その利用に限界のある野生動物として検討すること。
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