声明 「日本のIWC脱退に反対する」
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク
日本が国際的な努力を捨て、IWCを脱退するということに強く反対する。
現状から言えば、捕鯨工船の日新丸が老朽化し、再建しても採算がとれるか不透明であること、また北西太平洋でのイワシクジラの「海からの持ち込み」がワシントン条約違反であることが明らかになり、捕獲できなくなったことから、公海からの撤退は当然といえば当然の結果である。
しかし、それが明らかになった以上、本来であれば交渉力を発揮して、真正面から問題解決を進めるのが成熟した国家のあり方ではないのか。国際社会の一員として、日本の所有物ではない野生動物の捕殺に関して、国際交渉の場を離脱し、沿岸での商業捕鯨を再開するという行為は、国際社会からの大きな批判と良識ある人々の嘆きを生むだけである。
これまで日本国内での野生生物の保全に関わってきたIKANとしては、沿岸の商業捕鯨再開の可能性に際して、IWCのみならず、日本が批准している生物に関わる条約、海洋に関わる条約等を遵守し、沿岸の海洋生物の保全に関して、真摯な努力を傾注すべきであると考える。