NGO共同声明「海からの持ち込み」許可証の発給を止め、イワシクジラ肉の流通 を止めてください!
2018年11月5日
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
外務大臣 河野太郎 殿
農林水産大臣 吉川貴盛 殿
外務大臣 河野太郎 殿
農林水産大臣 吉川貴盛 殿
- この10 月2日、ロシアのソチで開催されていたワシントン条約第70 回常設委員会は、日本のイワシクジラの海からの持ち込みがワシントン条約附属書I の商業流通の禁止を定めた条約の遵守違反に当たると全会一致で確認しました。
- この常設委員会では、日本政府は、ワシントン条約事務局が提出した報告書の内容を認め、2019 年2 月までに是正を図り、その報告を提出、次回の常設委員会での議論に結論を委ねること、また同じく2019 年5 月に開催予定の第71回常設委員会以前には、イワシクジラの海からの持ち込み許可証の発給を行わないことも約束しています。
- 日本は、これまで北西太平洋の公海上において、イワシクジラを総計1622 頭捕獲し、科学調査用サンプルの他に、食用として毎年およそ1400 トンもの鯨肉を洋上で真空パックに包装し、冷凍したものを陸揚げしてきました。しかし、2002 年から続いてきたイワシクジラの商業流通は、条約上の違反行為だったわけです。
- 条約に適合させるべく、捕殺したうえでわずかな研究用サンプル以外の部分をすべて廃棄するのは、研究倫理から言ってももちろん論外です。
常設委員会の条約違反認定の前提には、条約では、もし、この鯨肉による売上金が調査捕鯨の経費に充てられ、実質的に利益を上げていなくても、商業利用の範囲とするという条約決議があります。日本政府は、この条約決議の解釈を無視し、先進国としては異例の条約違反の認定をされるに至ったという事実を重く受け止めるべきです。
- そこで私たちは、日本政府に対し、今後は条約違反を招いたイワシクジラの海からの持ち込みを行わないこと(今後、イワシクジラの海からの持ち込み許可証を発給しないこと)、またすでに国内に持ち込まれ、流通しているイワシクジラ肉を回収して商業利用の拡大を防止することを求めます。
<署名団体>
認定NPO 法人 アニマルライツセンター
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク
化学物質問題市民研究会
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
生命の輪
認定NPO 法人 地球生物会議(ALIVE)
認定NPO 法人 トラ・ゾウ保護基金
公益財団法人 日本自然保護協会
公益財団法人 日本野鳥の会
バイオダイバーシティ・インフォーメーション・ボックス
PEACE (命の搾取ではなく尊厳を)
Voice for Zoo Animals Japan