ドミニカ国の票を日本が買った?!

 IWC年次総会の最終日の6日、ドミニカ国の漁業相アサートン・マーチン氏が、IWCにおける票を日本が買ったと非難して辞任しました。火曜日 (5日)に行われた南太平洋サンクチュアリ提案の採決にさいし、同国代表団はサンクチュアリに反対する日本支持にまわりました。しかしこれは、当初予定していた内閣の決定「棄権」に違反しているというのです。マーチン氏は、日本が人口7万人の同国に対し、IWCに加盟して以来、あたらしい漁業関連施設の建設に7億円もの資金援助を行ったことを指摘しています。
 日本政府は、日本の資金援助は150以上の国に行っているとし、環境保護団体が影で大臣を操っているとコメントしていますが、大金が支払われたことには違いありません。

 今回の投票では、カリブの国々が日本支持にまわりましたが、こうした国に対してはほかと比べて漁業関連の無償援助額がきわだって高くなっています。たとえば、ドミニカの隣のセント・ルシアについていえば、90年以前には総額3億円程度であったものが、92年には漁業基地建設計画に7億3800万円、94年に第3次漁業開発計画に3億8800万円、95年、漁業開発センター計画に5億2700万円、97年に水産複合施設建設計画に10億1500万円、98年に同2期計画に10億800万円と続きます。セント・ビンセント、グレナダでも同じように漁業関連の資金援助が毎年のように行われており、無償資金協力の比率はドミニカ76%、セントルシア85%、セント・ビンセント81%、グレナダ69パーセントと、同じカリブの国でもIWCに参加していないジャマイカの3%などとくらべて高比率になっています。また、これらの国の主産業は農業、観光業であり、漁業ではないことも特徴的です。
 無償の資金援助が少ないことで有名な日本がこうした国々に援助の手を差し伸べることに反対するわけではありませんが、6日のドミニカのスキャンダルについて記者発表したドミニカのNGOのいうように、国際的に力のある国が開発援助と引き換えに小さな国を押さえ込むようなやり方をするのはたいへんに問題が 多いといえましょう。

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