捕鯨問題に関する公開質問状

2002年2月14日
IWC下関会議推進協議会 御中
イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク事務局長
 
 

「いくつかの疑問について」

公開質問状、確かに受け取りました。日本国内は捕鯨推進一辺倒のように喧伝されてきたきらいのある過去を考えれば、こうして反対する意見を聞く積極的な姿勢と、一般に伝えることのできる機会を作られたことを評価し、感謝するものです。今後とも、このような開かれた機会を通じ 、できるだけ多様な意見と多くの正確な情報の共有によって、日本人としてどのような選択をなすべきか、小事にこだわらない公正で前向きな意見の交換と解決への努力を共に努めましょう。その上で、私どもがお答えする際にいくつか整理しておきたい問題点があると考えております。特に、全般として、クジラ総体として書かれていて、質問としては分りづらいものであったことを申し添えます。御面倒とは思いますが、そちらの要望されている「賛否を明確にした」回答を差し上げるためには不可欠のことですので、早急にお答え願います。また、私どもの質問ならびにご回答も、公開を前提としたものにいたしたく、よろしくお願い申しあげます。


【記】

質問1について

「鹿、カンガルーのような陸上の野生動物」との記述がありますが、通常、陸上の野生動物にはそれぞれの生息地での保護・管理の責任者が存在しています。また、総体としてではなく、特定の地域個体群が対象になっています。クジラについてはこれに該当するどのような場のどのような種について考えられているので しょうか?また、研究者はシカの場合は年率20-30%で増加可能な動物であり、比較的アバウトな間引きでも個体管理が可能であると考えているようですが、クジラ類のなかでそのような増加率を持ち、しかも個体数管理に成功している例があるのでしょうか?ないのであれば、どのような「科学的根拠」に基づいて間引きが可能と考えられているのでしょうか?

質問2について

「実現可能である」ということは、可能性の問題と仮定した場合でよろしいのでしょうか?実現可能かどうかはさておき、そのことと国際的な合意では結論が異なる場合も考えられると思いますが、いかがでしょうか?

質問3、質間4について

この2つの問いには矛盾があるように思います。前者は「食文化といえども必ずしも必須ではない」と言うように読み取れます。限られた地域消費を前提とした先住民捕鯨の管理の向上を考えるより商業的なクジラ肉流通の方が管理がしやすいということでしょうか?それとも、先住民捕鯨といえどもその地域で不可欠というより、所詮は商業的なものと考えられているのでしょうか?

また、質問4では食文化は「それぞれの地域の風士、環境等により」とありますが、南極における捕鯨とその捕獲物の消費も含まれると考えてよろしいのでしょうか?

以上よろしくご回答をお願いします。


IKANからの質問に対するIWC下関会議推進委員会会長からの回答はこちら

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