新調査捕鯨計画専門家パネル報告
真田康弘(法政大学大原社会問題研究所客員研究員)
2015年4月13日、国際捕鯨委員会(IWC)科学委員会の下で開催された日本の新調査捕鯨計画に対する専門家パネル報告書が公表されたが、その内容は従来から調査捕鯨に対して批判的な見解を述べてきた科学者ですら「衝撃的(stunner)」と形容する内容を含むものであった。これまで調査捕鯨賛成派・反対派双方の意見を並置した両論併記的なもの、あるいは迂遠な表現で苦言を呈してきたこれまでの科学委の下で作成された調査捕鯨に対する報告書とは大きく異なり、日本の新調査計画に関し「捕獲が必要と立証できていない」と明確に否定したからである。
そこで本小論では国際司法裁判所(ICJ)判決及び2014年にスロベニアで開催されたIWCで採択された決議、日本の新調査捕鯨計画を振り返ったのち、専門家パネル報告の要旨を紹介し、その意義と今後の展望を記すものとしたい。
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