捕鯨問題に関する公開質問状

2002年2月4日
IWC下関会議推進委員会
会長 米澤 邦男

イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク事務局長 倉澤七生 殿
鯨問題ネットワーク代表者 赤坂和則 殿
グリーンピースジャパン事務局長 木村雅史 殿
国際動物福祉基金 日本代表 舟橋直子 殿
 
捕鯨問題に関する公開質問


国際捕鯨委員会第54回年次会議が本年4月から5月にかけて日本の下関で開催されます。我々はこの下関会合を成功に導くため、鯨類資源の持続的利用を支持する組織を結集して「IWC下関会議推進協議会」を2001年8月に結成しました。我々は、貴団体が捕鯨の再開に強く反対していることを承知しています。そこで、鯨類資源の持続的利用を支持する我々と捕鯨の再開に反対する貴団体に属する人々との考え方の相違を 明確にし、広く日本のみならず世界の多くの人々に正しく捕鯨問題を理解していただくことが必要と考えます。このため、我々は貴団体に下記の公開質問を致しますので、それぞれの設問に賛否の立場を明確にした上で、根拠となる理由を付して、具体的に文書にてご回答をお願い致します。

  1. 鹿、カンガルーのような陸上の野生動物については、増え過ぎによる悪影響を避ける観点から資源管理上一定の間引きと食料等への利用が 行われています。我々は、鯨についても、このような陸上の動物や他の海の生物資源と同様に、資源の豊富なものについては、科学的根拠に基づき持続的に人類による利用に供されるべきであると考えますが、貴団体の考えはいかがですか?
  2. 国際捕鯨委員会(IWC)においては、既に、あらゆる不測の事態や科学的不確実性を考慮に入れて資源の安全を保証する捕獲枠の算出方式が合意され、さらに、国際的な監視取締制度の検討が進められています。我々は、このように科学に基づき厳格に管理された制度を採用すれば、過去の商業捕鯨とは異なる資源保護を重視した新たな持続的捕鯨を実現することが可能と考えますが、貴団体の考えはいかがですか?
  3. 貴団体は、原住民生存捕鯨は認めるが、商業捕鯨の再開にはあくまで反対との立場をとっていると承知していますが、原住民生存捕鯨の中には、米国におけるホッキョククジラの捕鯨のように、資源状態が著しく悪化した鯨の捕獲が行なわれているものがあります。我々は、上記2.のような資源保護を重視した持続的捕鯨が実現すれば、それは、資源の管理の上で原住民生存捕鯨よりも優れている面があると考えますが、貴団体はどのように考えますか?
  4. 我々は、世界に存在する様々な食文化は、それぞれの地域の風土、環境等により歴史的に形成されてきたものであり、お互いに尊重されるべきであると考えており、鯨食文化についてもその例外ではないと考えています。貴団体は、我が国における鯨食文化の伝承、存続を認めますか?
以上

上記IWC下関会議推進委員会会長からの質問に対するIKANからの回答はこちら

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