【要望書】調査捕鯨の終了・不適切な税金投入の中止を求める
2012年9月26日
要請書
調査捕鯨の終了・不適切な税金投入の中止を求める
昨年3月の地震と津波は多くの沿岸地域住民を直撃し、深い傷あとを今に残しています。国内はもちろん世界の多くの国から被災地の復興に向けた様々な支援が行われてきたものの、まだ地域の回復は十分とは言えません。こうした中、私たちは、被災地域の回復のためにあてられるはずの復興予算のうち約23億円が、被災地から遠く離れた南極海で実施される調査捕鯨に投入されることを指摘し、復興予算は被災地支援にまわすよう意見書を提出しました。しかし約23億円の税金の使途は不明確なまま、調査捕鯨は実施されています。
最近の報道によって、復興予算の不適切な使われ方が調査捕鯨への流用にとどまらないことが明らかになりました。こうした税金の不当な使われ方は、国民にとって到底納得のできるものではありません。
さらに今朝、水産庁が合理化で収益性を上げようとする漁業に補助金を出す「もうかる漁業創設支援事業漁業」を、調査捕鯨支援へ使用することを検討しているとの報道がありました。この補助金は復興が進まない東日本の漁業者の自立のために利用されるべきで、調査捕鯨という将来性のない無駄な利権事業に使用されるべきものではありません。昨年の復興予算の調査捕鯨への流用、そして現在検討されている漁業支援事業予算の流用は、国民として看過できない国費の乱用です。(
日本政府はこれまで「日本の調査捕鯨は商業捕鯨ではない」と国内外に説明してきました。「もうかる漁業」として補助金を与えることになれば、昨年の復興予算の流用とともに、主旨と矛盾した税金の投入で国内外から大きな批判を受けることになるでしょう。
さらに、日本の調査捕鯨に関しては、国際捕鯨委員会(IWC)の科学委員会による南極第一期調査評価会議において、初期目的を果たしていないと結論づけられております。
よって以下3点を要請します。
要請1:無駄な利権事業である調査捕鯨を終了すること
要請2:「もうかる漁業」補助金の調査捕鯨への適用は、筋違いの補助金流用であること(その趣旨が矛盾していること)、将来性がまったくないことから取りやめること。「もうかる漁業」補助金はより必要とされている沿岸・沖合の漁業立て直しのために活用すること。
要請3:調査捕鯨に使われた平成23年度の震災復興予算22億8400万円の用途・内訳を詳細に示すこと。
以上