調査捕鯨船団の帰港に際して一言もの申す
日本国総理大臣 野田佳彦殿3月31日に、南極海調査捕鯨船団が日本に帰ってきました。
帰港に際しては、水産庁、日本減類研究所の記者発表に即し、国内メディアの注視するところはシーシェパードとの攻防戦が主で、調査そのものへの疑問、また今回投入された多大な国費(第三次補正予算の復興予算から約23億)についての言及はありません。
私たちは今回の調査捕鯨に対して、以下のことを求めます。
- 調査捕鯨に関する検討委員会の中間答申にもあるように、国内世論の中に調査捕鯨の中止・縮小という意見を尊重し、調査捕鯨の抜本的な見直しを国内外の多様な主体により検討すること
- およそ23億という政府予算投入については、その詳細について公開すること
- 東日本大震災の被災地への復興予算として実質計上された金額を公表すること
今回調査での鯨類捕獲は調査計画に上げられている捕獲頭数のおよそ3分の一の267頭(うちナガスクジラ1頭)ですが、水産庁はその報告で「捕獲調査そのものが、直接の妨害を受けることはなく、計画どおりの日程で調査は実施された」としています。
水産庁としては、日本政府と大書した監視船での妨害の防止が功を奏したことを示したいのかもしれませんが、鯨肉を販売することで初めて可能となる民間調査から、政府予算による調査で、鯨肉獲得の優先順位が低くなったことがこの捕獲頭数に反映されている(必ずしも設定した捕獲枠が必要なわけではない)のではないでしょうか?
実際、今回の大きな成果としてあげられているのは、ミナミセミクジラ2頭への衛星標識の装着です。
調査においてクジラを殺す必然性はどの程度あるのでしょうか?
調査捕鯨のあり方についての抜本的な見直し、検討が必要と思います。