公益用割り当てを一般向けに販売未遂?

調査捕鯨の副産物の有効利用?

【経緯】
壱岐にある芦辺町と言うところが、昨年7月、17.2トンという大量の鯨肉 を公益枠で購入した。その1ヵ月前の6月に、町長が地元の建設会社の社長を伴って日本鯨類研究所を訪問、35トンの鯨肉購入を申し込み、そのうちの17.2トン分が支給されることになったのだ。

「公益枠」というのは、日本鯨類研究所が「鯨肉を伝統的に食べてきた」地域行政を通じて住民に優先的に肉を卸したり、イベントや学校給食などに使うと言うことで、一般卸価格よりも安い卸値で調査捕鯨の副産物、つまり鯨肉を提供する。 全体に供給される肉のうちの30%が公益枠として使われているが、17.2トンはこのうちの16%にあたる。

【公益枠の肉を業者が販売!?】
 総額が5,300万円の請求書が届いたところで、この申込は町議会で決められたことではなく、予算にもあげられていず、町長の裁量だけで行われたもので あることがわかった。またその支払は建設会社が行い、そこでこの建設会社が地元のスーパーの敷地内に新たな売り場を設置、鯨肉の保管倉庫まで建設して鯨肉100g500円で販売するということも明らかになった。

 ここにいたって町は議会をひらき、善後策を討議、非営利目的の鯨肉の建設会社販売は場合によっては詐欺にあたる恐れもあり、契約を破棄すべき、という意見も出た。しかし、建設会社が町長に黙認を要請、町長が承諾し、建設会社は支払いを行った。

【解決???】
 公益枠の鯨肉は、直接購入した地方自治体が卸値のまま、あるいは経費等を上乗せして地元民に販売するものだが、漁協などへの委託も不可能ではない。こうした業者委託できるような融通性が今回の事件を生む温床にもなっているのではないだろうか。

 一旦は水産庁にまで説明に出かけ、町長は業者委託は黙認されたと判断したが、委託販売の段階で作成された報告書の宛先が鯨研ではなく、水産会社であることが判明し問題が再燃したために、結局、町長印は押されない状態で年が明けた。

 今年に入って地元紙の報道で事件が明るみに出ると、町長自身が肉の返還をほのめかし、最初は「決算も終わっているから」と返還されることを最初はしぶった鯨研もさすがに鯨肉とひきかえに代金の返還を認めた。

 一方、町長は4日の議会で独断で町長名を貸したことを陳謝、議会における真相究明の委員会は見送られることになった。

 いままでも密猟肉販売の隠れ蓑になるなど、調査捕鯨肉の販売は何かと問題を生じている。調査捕鯨には、一部私たちの税金が使われているのだが。

insurance
insurance
insurance
insurance