シャチ解放運動

日に1300枚もの抗議ファックス

シャチ の捕獲に関する情報は、市民グループによって多くの支援者に伝えられ、同時にシャチの捕獲に反対し、解放を求める意見をシャチを購入した3水族館、水産庁、和歌山県に届けようという運動が展開された。この結果、2月10日から国内外の支援者による抗議のファックスや電話が関係者のもとに殺到した。後日、そのうちの1水族館関係者が明らかにしたところによると、1日に1300枚もの抗議ファックスが寄せられたとのことで、他の水族館などにも同程度の抗議が寄せられたと思われる。

海外との連携

海外では、カナダのシャチの研究家で日本でもよく知られているポール・スポング博士が捕獲当初から、そのネットワークを使って世界中に解放を求める行動を促していた。CFN(Cetacean Freedom Network)という保護団体・研究者・個人のネットワークをはじめとする海外の団体も、インターネットを通じて抗議行動を連日呼びかけた。また、アメリカやカナダ、オーストラリア、イギリスなどでシャチの捕獲に抗議するデモや集会が行われた。3月1日にはシアトルで「シャチのための3月1日」と題する大規模な集会が開かれた。イルカ&クジラ・アクション・ネットワークは連携しているJAVA、ARCなどとともにこれに呼応した街頭行動を渋谷で行った。元女優ブリジット・バルドー氏、フリーウィリーII の監督リチャード・ドナー氏、イルカ研究者ホラス・ドブス氏、シャチ研究家ポール・スポング氏などの研究者、著名人からの抗議ファックスが送られるなど、海外からも大きな反響があった。

ポール・スポング博士と3月行動

海生哺乳類の保護に関する要望書提出

ポールスポング博士が滞在中だった3月21日、イルカ&クジラ・アクション・ネットワークは、国内の自然保護NGOなど20団体の連名で、『海生哺乳類の保護を求める要望書』を環境庁に提出した。この要望書は、日本の野生生物の保護を担当する環境庁に、シャチなどの海生哺乳類についても、陸上哺乳類と同様な保護行政を実施するように求めたものである。現在日本では、海生哺乳類を扱う行政は水産庁であるが、これは海生哺乳類が現在も「資源」として扱かわれていることの現れである。水産庁でも、海生哺乳類の保護に関して、多くのクジラ種の捕獲禁止措置などを実施しているが、それらは原則として資源保護の観点で実施されているものであり、できるだけ早くこの方針を改め、行政が自然保護、野生生物保護の観点から海生哺乳類に対応することが求められている。

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