イルカ捕獲枠(2013~2014)

2007年に見直しが行われてから、特に捕獲数削減が必要と考えられる種について、(主に産業への配慮から)一気に減らすかわりに毎年8%くらいずつの枠の削減が行われてきました。今年も昨年から719頭の削減となっています。

しかし、表をご覧になると分かるように、減枠されている捕獲地は、千葉の突きん棒や静岡の追込み猟など現在実際には捕獲が実施されていないところも含まれています。
 太地のように捕獲が実施されているところで削減が行われているバンドウイルカやマゴンドウ(コビレゴンドウ南方型)については、捕獲について要注意だということがわかります。


 この間、海外ではイルカ類に関してNon-human personhood(人類でない人格)だという認識が広がっています。かつては人間に特有だと考えられていた自己認識能力や抽象的な思考、長期的な記憶力などを持つ種があることを認識することで、人間対動物という便利は仕切りはなくなりつつあるということがイルカ愛好家の感傷的な主張としてではなく、行動学的にもかなりの説得力を持って問題提起が行われているということを、この際行政や産業関係者も謙虚に考える必要があると思われます。

 折しもイェール大学で以下のような国際会議が開催されるというニュースも入ってきました。

 Yale conference on Non-human personhood in CT December 6-8
 http://nonhumanrights.net

Personhood Beyond the Human
December 6-8, 2013
Yale University, New Haven CT
Co-sponsors:
Institute for Ethics and Emerging Technologies
Nonhuman Rights Project
Interdisciplinary Center for Bioethics
Yale Animal Ethics Group


水産庁資料

(単位:頭, カッコ内は昨年度の値)
  鯨種別捕獲枠
県別漁法 イシイルカ リクゼンイルカ カマイルカ スジイルカ バンドウイルカ アラリイルカ ハナゴンドウ マゴンドウ オキゴンドウ 合 計
北海道突きん棒 (1,192)
1,141
(83)
80
(1,275)
1,221
青森県突きん棒 (8)
6
(8)
6
岩手県突きん棒 (5,726)
5,478
(6,611)
6,563
(154)
154
(12,491)
12,195
宮城県突きん棒 (221)
212
(214)
13
(435)
225
千葉県突きん棒 (32)
24
(32)
24
静岡県追込み (36)
36
(28)
21
(51)
47
(181)
136
(10)
10
(306)
250
和歌山県追込み (134)
134
(450)
450
(604)
557
(400)
400
(270)
265
(161)
137
(70)
70
(2,089)
2,013
和歌山県突きん棒 (36)
36
(100)
100
(68)
63
(70)
70
(226)
222

(500)
591
沖縄突きん棒 (7)
6
(53)
46
(20)
20
(80)
72
合計 (7,147)
6,837
(6,908)
6,656
(360)
360
(610)
595
(730)
673
(651)
606
(496)
487
(214)
183
(100)
100
(17,939)
17,216


※スジイルカ・アラリイルカは、捕獲実績県(和歌山県)の枠は現状維持で変化させず、捕獲実績の無い県(千葉・静岡)の枠を2007年より10年後に0にすべく漸減する。
※青森のイシイルカ、千葉のスジイルカの枠も2007年より10年後に0にすべく漸減する。(これらはPBR計算外枠とするが、途中で捕獲があった場合はPBR計算の中に入れて再配分する。)
※オキゴンドウとカマイルカは2007年より10年間固定配分する。

insurance
insurance
insurance
insurance