静岡県伊東市富戸でまたイルカ猟 (現場ビデオあり)
1999年10月13日
イルカ追い込み猟が始まったとの第一報が入ったのは10月13日午前10時頃、ダイバーの人からでした。11時45分くらいにはすでに追い込みが完了し たとのことです。現地に観光客がいたためか、解体作業はすぐには行われませんでした。すぐ現地に向かったアニマルライツセンターの川口さんが、写真を IKANに送ってくださいました。
取材を行っていたTBSテレビの人によると、13日深夜、埠頭に数人の漁業者がかたまって、なにやらさばいていたということです。一瞬、黒っぽい皮のよ うな外見に赤い肉らしい塊(60~70センチくらい?)が見えたそうです。その後、ともされていた電気がパッと一斉に消され(見つかってしまった)、それ 以上の取材はできなかったそうです。この模様はTBSの報道番組「ニュースの森」で、18日に放映されました。
1999年10月14日
まず、水族館に搬入するイルカを選ぶために、水族館関係者が捕獲を始めました。イルカたちはすでにパニックになっていて、傷付きながら大暴れしていま す。捕獲され、一頭ずつ担架のような捕獲用具に入れられクレーンで釣り下げられている間にも死にもの狂いで暴れるので頭を押さえ付け、何人もで締め付けて いました。結局、4頭が伊豆三津シーパラダイス、2頭が油壺マリンパークに運ばれました。この選定作業中に2頭がショック死し、解体にまわされたようで す。
つぎに、捕獲枠いっぱいの75頭になるまで食用イルカを捕獲するのですが(前述したように、前夜こっそり解体したか?と思われるイルカはこの数に含まれ ていません。14日朝から立ち会いを行った県の職員は、朝からのカウントで75頭といっているそうです。)この捕獲方法は太地の捕獲と比べて大変手際が悪 く、不必要な苦痛をイルカに与えていました。 仕切った網をせばめてほとんど身動きできないくらいにイルカたちを押し込んだ上で、舟の上から鋭い金属の手 鈎を使って解体するイルカを選ぶのです。もちろんイルカたちは傷だらけで海が真っ赤に染まっています。水族館用に選ばれたものと違い、しっぽをクレーンで 釣り下げられ、トラックで引きずられて行きます。
いざ殺される時もナイフを首に入れられるたびに、のたうち床を激しく尾でたたいたり、滝のように血を流しながら体をそらしたり、震えたり。「上手にナイフを入れるから苦しまない」と聞かされてきた説明とはまるで違います。
残りのイルカたちは解放されましたが、失明するなどひどく傷付いたものも多く、はたして解放されても生存していけるかどうか多いに疑問です。捕獲頭数を守ることの意味が間違って受け取られているとしか思えません。
※何が問題か?
1)イルカ猟の捕獲枠そのものへの疑問
- 93年に決められた割り当ては、それまでの捕獲実績によるもので、必ずしも生態に配慮したものではない。
2)イルカ・クジラの化学物質汚染の問題
- この間、たびたび日本沿岸のイルカ・クジラ肉のPCBや水銀などの深刻な汚染が報道されている。このような化学物質の影響によって、イルカ・クジラの繁殖に大きな打撃が与えられている可能性がある。
- イルカ・クジラ肉の化学物質汚染が人間に与える影響も無視できない。特に、クジラ肉をアトピー対応食として利用している場合、イルカ肉もクジラ肉として販売されている現状では暫定基準値を大幅に上回る化学物質を子どもたちが摂取する可能性もある。
3)追い込み猟という猟の形態の問題
- 追い込み猟では枠にあわせた捕獲は無理。イルカ・クジラを群れごとそっくり捕獲して、枠を上回るイルカ・ クジラをリリースするにしても、狭い湾に仕切られたイルカ・クジラがパニックにおちいってお互い傷つけたり、漁業者の手鉤で手荒く扱われて深傷をおう場合 がほとんど。はたして、リリースされた個体が生存できるかどうかもわからない。
これらを考えると、早急な調査とその結果による捕獲枠の見直しと猟の方法の検討が必要です。また、デンマーク・フェロー諸島のように、食品としての危険性を公表し、勧告を行う義務が政府にあると考えられます。
<富戸イルカ猟に関してのみなさんへのお願い>
たくさんの人が関心を抱いていることを関係者に知らせる必要があります。ぜひ、みなさんも以下のところに手紙を送り、問題を訴えてください。
小泉純一郎 総理大臣 |
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-3-1 |
tel.03-3581-0101 |
fax.03-3581-3883 |
e-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。">このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 |
武部勤 農水大臣 |
〒 100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 |
tel.03-3502-8111 |
fax.03-3501-0608 |
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渡辺好明 水産庁長官 |
〒 100-8907 東京都千代田区霞が関1-2-1 |
tel.03-3502-8111 |
fax.03-3591-5824 |
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坂口力 厚生労働大臣 |
〒 100-8045 東京都千代田区霞が関1-2-2 |
tel.03-5253-1111 |
fax.03-3595-2020 |
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