「シロイルカ・セイウチの海獣バンド」ショーの中止要請書
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- 作成日 2001年3月16日(金曜)21:54
2001年3月16日
「シロイルカ・セイウチの海獣バンド」ショーの中止のお願い
昨日のテレビニュースと本日付けの新聞の広告で貴水族館がこの3月17日よりシロイルカとセイウチを使った新たなショーを計画していることを知りました。
しかし、この計画は動物園・水族館の本来あるべき目的に反しており、人道的、教育的観点からも許されてしかるべきものではありません。
○ショーは動物虐待である
『怪獣バンド』によるジョイントライブと銘打ったこのショーの中身は、3年越しで実現したそうですが、水面に頭を並べて「歌を歌う」ベルーガや、水際で 1メートルはあろうかというホーンパイプを鳴らすセイウチの姿は動物の習性に反して長時間の過酷な調教によってつくり出されたものであり、動物の虐待と言 うべきものです。
○動物の福祉に関する基準に抵触し、時代錯誤である
近年、飼育下における動物について、動物園・水族館関係者のなかからも生態とかけ離れたショーへの批判が大きくなっており、貴水族館の新たなショー計画はこうした時代感覚に大きくかけ離れたものです。
また、3年の長期にわたる訓練が必要であるような調教そのものが、我が国の「展示動物等の飼養及び保管に関する基準(昭和51年2月10日総理府告示第7号)の一般原則1に違反したもので、動物福祉の観点から容認できるものではありません。
○教育目的から遠く離れている
今回の計画は、その目的に使われるシロイルカ、セイウチの生態についての間違った認識を与え、人間以外の生物の尊厳を犯すもので、子供たちの環境教育に 反しているのはあきらかです。さらに「教育的な施設」のはずの水族館において、セクシャルハラスメントとも考えられる「美人調教師赤面のハプニング続 出!」というような品性にかける表現(3月15日付朝日神奈川版広告)を無神経に使用していることも、あってはならないことだと考えられます。
なお、このショーに対する国際的な批判が高まっております。ご存知のように、イギリスで最大の動物保護団体RSPCAを始め、多くの良心的な団体・人々が抗議を始めています。
以上の理由をもって、貴水族館における新たな計画を即刻中止されますよう、強く要望致します。