名古屋港水族館 シャチ捕獲断念か?

3月27日の朝日新聞名古屋版が「シャチ捕獲『もうやめます』」という 記事を掲載しました。

 新聞によりますと「名古屋港水族館はロシア領海での野生シャチ捕獲をやめる方針をきめた」ということです。この3月24日に行われた名古屋港管理組合の議会で新たな予算 ¥35,000,000がついたものの、「費用をかけても捕獲できる確証はない」「鯨類保護の国際世論に配慮を」などの理由で「他の飼育施設からの借用や譲渡を目指すことに専心する」そうです。

 2001年,2002年とロシア海域での捕獲を試み、いずれも失敗。それどころか、その都度多額のお金をロシアの関係者や業者に支払って きました。捕獲可能なロシア海域のシャチの行動習性など未解明な部分が多く、捕獲はむずかしいと判断されたということです。

 シャチ獲得に関しては、地元のオンブズマン愛知が支出停止の仮処分の訴訟を起し、3月8日には水族館の言い分のままの判決が出されましたが、その過程 で、この間の支払にはかなり不透明なところがあると判明し、同団体が追求しようとしている矢先のことでした。 今後、同水族館は和歌山県太地町で飼育されている1997年に捕獲されたメスのシャチを 「ブリーディング・ローン(繁殖のための借り受け)」で借り受けるための最終的な手続きに入ったと言うことですが、このシャチはもともと学術目的の特別捕 獲で、ショーなどには使用しないという水産庁や日本動物園水族館協会からお知らせがでているものです。

 借用によって「学術調査」はどうなるのか、オスなしでいかなるブリーディング・ローンか、など疑問が残ります。さらに、同水族館は、ロシアでの捕獲を 「完全に断念したわけではなく、業者が見つかれば、将来に備え調査は続けたい」としています。まだまだ完全に問題解決したわけではなさそうですが、とりあえずはロシアのシャチたちにしばしの平安がもたらされたということでしょうか。

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